卒業生の声

※掲載内容は2018年7月現在の情報です。


子どもへの対応で私が意識するのは、病気やケガだけでなく、その裏にある「見えない傷」にも目を向けること。例えば、頭痛や腹痛で頻繁に来室する子どもは、家庭や友達との間に問題を抱えている場合もあるので、過去に遡ってじっくりと話を聞きます。大学時代に学んだカウンセリングスキルを基本に対話を深め、時には、これまでの出来事や気持ちを一緒にイラストにして共有・確認するなど、一人ひとりに合う解決法を探っていきます。不安で一杯だった子どもの表情が柔らかくなり、「がんばってくる!」と教室に戻って行く姿に、養護教諭としての自信を少しずつもらっています。そして、養護教諭が目を向ける「見えない傷」には、未来も含まれます。名古屋市では昨年度から、3年間通して行うがん教育が始まりました。1年目に実施した子どもへの意識調査をもとに、今年はいよいよ授業を考え、実践します。生涯にわたって子どもたちの健康を守れるよう、具体的な症状や予防法を分かりやすく伝えたいと思っています。

養護教諭は、子どもや保護者、他の教員、地域の医師などとうまく連携しながら業務を進める仕事です。そのため周囲に働き掛け、関係を築く積極性や気配りが必要ですが、私は大学時代のさまざまな経験からそれらを学ぶことができました。例えば、工作会など子どもと楽しむイベントを企画・運営するサークルの活動。もともと人前で自分の考えを発表することが苦手でしたが、活動を通して自信と積極性が身につきました。また、採用試験の面接対策に1人で悩んでいたとき、ゼミナールの先生から「うまく話せなくても、あなたの温かいところが伝われば大丈夫」と声を掛けてもらったことがありました。見守ってくれている人がいる安心感から、試験では堂々と話すことができ、気配りの大切さを学びました。この経験は今、自らSOSを出せない子どもにも目を配るという日々の心掛けに活かされています。校内をまわり、普段と様子が違う子どもがいれば声を掛け、いつでも味方になれるような養護教諭をめざしています。