卒業生の声

※掲載内容は2018年5月現在の情報です。


私が勤務するのは、病床数500を擁する、がん専門の医療機関。私は栄養管理部の栄養士として、献立作成や栄養相談などを担当しています。がんの治療を行ううえで最大の問題は、患者さんが痩せてしまうこと。病気そのものの症状や、手術や治療の影響で、食事が苦痛になることも少なくありません。ですから、ここでは食事を「制限する」のではなく「奨励する」という、一般的な病院とは真逆のスタンスをとっています。例えば、抗がん剤の影響などで味覚が鈍る患者さんが多いので、食が進むよう敢えて濃い目の味付けにすることもありますし、月1回の行事食では、手間はかかりますが、調理師の方々の協力を得て、季節感を味わえる献立、盛り付けにこだわります。患者さんの人生を長期的に見通し、今最も必要な対応は何なのかを自分の専門知識から導き出し、支えていく。その結果、検査の数値が改善したり、元気になった患者さんの笑顔が見られることが、何よりの励みです。


もともと人と話すことが好きで、大学入学後は栄養教育やカウンセリングに興味を持ちました。授業はもちろん、学外の学会に所属し、栄養カウンセリングを2年ほど専門的に学んだほか、栄養教諭の資格取得にも挑戦。小学校での教育実習では、ダイエットの影響により6年生の残食率が一番高いことを知り、正しい栄養の知識を広めていく必要性を強く感じました。同大学の大学院への進学を決めたのも、そのためのより深い知識を養うためです。大学院では、人間の行動の法則性を探る「行動科学理論」などを学び、学部時代に学んだ栄養の知識と合わせ、自分の専門スキルをあらゆる年齢、健康状態の人に役立てたいと思うようになりました。県職員としての栄養士は、病院のほか、保健所、学校、県庁などで仕事ができ、例えば理論に基づく栄養指導、統計処理や分析、県の健康事業の策定・運営など、幅広い業務を担えます。今後も経験を積み、全県民の健康に多面的に貢献できる栄養士をめざしたいです。