デッサンや文字組み、IllustratorやPhotoshopといったソフトの操作法など、デザインの基礎を学び、平面・立体の多様な作品を制作しました。印象的なのは、「風を可視化する」という課題。風を考察・分析し、色や形、擬音語などで表現していくなかで、デザインに対する概念が、“手を動かすこと”から“考えること”に変わりました。
2年次は、XDなどのソフトを使ったWeb制作、パッケージデザイン、イラスト表現、絵本の制作・編集などを学びました。デザインのスキルを広げることと並行し、ブランディングの授業で取り組んだのは、「新しい記念日」の企画。私は「ロングTシャツを楽しむ日」をテーマにイベントをデザインし、コトづくりの面白さも実感しました。
3年次以降は、コトづくりの学びを発展させ、UI/UXデザイン(UI:ユーザーとの接点/UX:ユーザーが得られる体験)に取り組みました。学外展示会では、紙媒体や木製の台座、映像を使い、伝統工芸品の魅力を伝える展示作品を制作。ショッピングモールとの協同プロジェクトでは、プロジェクトリーダーとして子どもも親も楽しめるイベントを企画・運営しました。各ブースで使うアイテムの美しさや使いやすさ、それら全体で構築する世界観や動線によって、来場者に楽しさや新しい発見を届けられるよう工夫し、これこそがデザインなのだと実感できました。卒業制作では、脱プラスチックなどの社会動向から、紙に着目。日本の豊富な紙資源や、日本の紙の可能性を感じてもらえる展示作品を制作しました。
東海地方の伝統工芸である木桶がテーマの展示作品
「木桶百継展」(3年次)
プライムツリー赤池との
協同プロジェクトによる体験イベント
「ワハハうんどうかい」(グループ制作/3年次)
日本の紙の魅力や可能性を紹介する展示作品
「+日本紙」(卒業制作作品/4年次)
※掲載内容は在学時に取材した2023年2月末現在の情報です。
1年次に幅広い領域を学び、最も楽しいと感じたのはプロダクトデザイン。おもちゃの課題では、からくりの技法を用いたカブトムシの玩具を制作しました。対象年齢を設定し、身長や手の大きさを調べ、発達に合わせてサイズや機能を決めていく設計のプロセスや、それを形にした時の充実感を肌で感じ、学びを深めたいと思いました。
2年次は、陶器のマグカップや、情報端末を内蔵した虫かごなどをデザイン。さまざまな素材の扱い方を学びながら、より具体的にターゲット(使う人)を設定した精度の高いモノづくりを学びました。またPhotoshopやIllustratorを使ったポートフォリオの制作など、作品をより魅力的にアピールするスキルも養いました。
3年次の「インテリアデザイン」で、自動車の室内デザインに取り組んだ時、今までにない刺激を感じました。これまでに学んださまざまな知識を複合的に活かせる点に、プロダクトデザインとしての面白さが凝縮されていたからです。以降は、カーデザインを軸に学びを深めました。授業は、自動車メーカーのデザイナーとしての経験を持つ教員が担当。第一線で活躍するプロもアドバイザーとして参加し、具体的な意見をいただけるので、自分の独自性や課題を客観的に把握しながら実践力を磨けました。3年次の夏と4年次の春に参加した自動車メーカー2社のインターンシップでも高い評価をいただき、自信がつきました。卒業制作では、アンケート調査からニーズを見出だした3人乗りモビリティのデザインを完成させました。
課題で制作したマグカップや情報端末などの作品群
(2年次)
ペンギンをモチーフにした小型モビリティ
「PENG GLIDE」(3年次)
フロントシートが回転する3人乗りモビリティ
「BALAMU 3」(卒業制作作品/4年次)
※掲載内容は在学時に取材した2023年2月末現在の情報です。
私は絵を描くことが好きで、グラフィックデザインに興味がありました。入学後にすべてのデザインの基礎となる文字組みや、Illustratorなどのデザインソフトの操作法を学んだ後、取り組んだのは「風」を可視化するという課題。感覚を研ぎ澄ませ、風の強さや温度を色と形で表現することで、デザインとは何かが少しずつわかってきました。
2年次は、ポスターの制作でタイポグラフィ、絵本の制作で物語の創作や製本の技術など、課題を通してスキルを磨きました。特に「新しい記念日」を企画する課題で、野菜をテーマにロゴや雑貨をデザインしていくなかで、一つのコンセプトを軸にさまざまな制作物へとデザインを展開していくブランディングの楽しさに出会いました。
3年次からは、意図をより明確にした上で細部までつくり込むことを徹底し、デザインを行いました。例えば「なごやVISION展」では、愛知県春日井市の名物・サボテンのブランディングを提案。サボテンをモチーフにした商品を企画し、パッケージなどをトータルにデザイン。教員や来場者から高評価をいただいたことで、自分のデザインや考え方に自信がつきました。また、3年次は子ども向けのイベントを企画運営する「産学協同プロジェクト」に参加し、4年次は「JAGDA国際学生ポスターアワード」で入賞するなど、学外にも活動の場を広げ、より豊かな表現力を養いました。そして卒業制作では、“手”をテーマにした作品を制作。ダイヤグラムや製本、パッケージデザイン、映像などの要素が詰まった、4年間の集大成となりました。
「8/31野菜の日をもっと楽しく」をテーマに、
雑貨やロゴをデザインした作品
「VEGE COLORFUL」(2年次)
サボテン商品のロゴやパッケージなどを
提案した
ブランディング作品
「Sabo.」(なごやVISION展作品/3年次)
手を5つの視点からとらえ、
新しい発見をしてもらおうと制作した展示作品
「手と、」(卒業制作作品/4年次)
※掲載内容は在学時に取材した2022年2月末現在の情報です。
建築と玩具のデザインに興味があり、自分の適性を探った1年次。一番楽しかったのが、段ボールで卓上の収納を制作したプロダクトデザインの課題でした。「自分が格好いいと思うもの」ではなく、さまざまなメーカーの製品を調査しながら「使う人が何を求めているのか」を考えてつくる楽しさと難しさに惹かれました。
2年次は、「スピード感のある造形物のデザイン」「個人情報端末のデザイン」などの課題に取り組みながら、プラスチック、木材、金属、陶器など、さまざまな材料の加工法を学びました。人間工学に基づく設計、アンケートやモニター調査による仕様の決定や改善なども求められ、より実践に近いものづくりのノウハウが身につきました。
3年次以降は、制作の意図から、素材、形、機能の細部に至るまで、より明確な根拠を求められるように。また授業では、レンダリング(デジタルデータで完成予想図をつくる技術)なども学び、大型の作品や精密な作品にも挑戦しやすくなりました。例えば、3年次に制作した「Re:Desk」は、気軽に模様替えを楽しみながら、今も未来も、快適な作業空間を提供したいと企画した作品。モジュール化された机と棚を、自由に組み合わせられる最適な角度を探り、0.01mm単位の設計を施しました。この作品を発展させ、卒業制作ではカスタマイズできる机と棚、椅子を制作。卒業研究として「ライフスタイルの変化に対応するモジュールのスタイル」をテーマに論文も作成し、4年間の学びの集大成としました。
デスクと2種類の棚で
カスタマイズの楽しさを提案した作品
「Re:Desk」(3年次)
変形菌をモチーフにしたオイルランプ
「instant lamp」
(なごやVISION展作品/3年次)
ライフスタイルの変化に対応しながら長く使える
「リアレンジシェルフ」(卒業制作作品/4年次)
※掲載内容は在学時に取材した2022年2月末現在の情報です。